池上で知り合ったアメリカ人の友人A氏、サンフランシスコのアートスクールで教えているナイスガイ。昨年末に高松で開催されたイベント「Georama2016」に続き、今年2月にも都内でのイベントのため来日していました。どちらも彼の友人である、Bruce Bickford(ブルース・ビックフォード)氏と一緒に来日し、彼の展示会やイベントのサポートをしていました。「ブルース」といえば「リー」がくる世代のDogwood、ブルース・ビックフォード氏のことは全く知らなかったのですが、この方はミュージシャン Frank Zappa(フランクザッパ)のPVアニメーションを長年製作していた人。粘土で作った人形やジオラマを山ほど作り、それを1コマごと撮影して、独特のアニメーション風の動画で知られる、その世界では知る人ぞ知る「巨匠」なのだとか。(違ってたらスミマセン。A氏の話を要約したら、こんな感じでした)
ブルース氏の年齢は60代後半、ベトナム戦争も経験していて、その風貌から想像がつくように、私生活はとても変わっている「ムズカシイ人」なんだそうな。アメリカでも「天才とナントかは紙一重」というらしい。
今回は、渋谷で音楽イベントとのコラボレーションや、ブルース本人が参加するエキシビジョンもあり、A氏から何度も誘われたけれど都合が合わず、結局ブルースとは会えずじまい。既に2人とも帰国しているけれど、2/20まで白金の「山本現代」というスペースギャラリーで、ブルースの作品&ビデオを展示をしているというので、最終日に行ってきました。
白銀高輪駅から徒歩10分ほどで「山本現代」へ到着。あのセレブな白金らしくない、普通の住宅街の中の普通のマンションの3階。エレベータで上り、扉が開くと同時に30坪程の薄暗い会場が目の前に。いきなりビデオ上映の音が響き、粘土やジオラマのクレイ作品とデッサンが展示されているのにビックリ。受付もなく、入場無料の雰囲気。取り敢えず、机のノートに名前を書いて中へ進みました。土曜日の午前10時頃に着いたのですが、既に中には4-5人の見学者がいて、熱心にビデオや展示作品を見ていました。しかし、これで商売成り立つのかな?まっ、いっか。作品の解説や説明は一切無し。「みたけりゃ勝手にどうぞ」のオーラが漂っていて、写真撮影も全然OK。
フランクザッパのことは、前から顔と名前は知っていたけど、それほど聴いたわけではなく、ましてやPVを意識して見ていませんでした。Youtubeで改めて見てみると、70年代のアナログ時代に、気が遠くなるような手作業と時間をかけて作られた作品は、全く古臭さを感じない、圧倒的なインパクトを与えてくれる。まさに圧巻であり、時にグロテスクや狂気も。見る人の心に強烈に訴えるものがある。A氏も自分のバンドを持っていて、マイナーながらもアメリカでCDも出しているのですが、そのジャケットを見せてもらうと、ブルースの影響を受けている感も。家に帰ってネットで検索すると、ブルースを崇拝する一流のアーティストが沢山いるのに驚かされるという、何とも不思議な展示会でした。
http://www.yamamotogendai.org/japanese/exhibitions
ブルース・ビックフォードの詳しい説明がネットにたくさんでています。