大きな病院に来るといつも思うのが、病院を舞台にした医療ドラマの数々。古くは「白い巨塔」、「振り返れば奴がいる」、「ドクターX」、「医龍」、「ナースのお仕事」、「コードブルー」、最近では「ブラックペアン」など名作ばかり。
ママが入院しているのは大学病院なので、たくさんの人が行きかいます。ついつい、あの人は天才外科医、このヒトは悪徳教授、これが意地悪婦長、おお、美しすぎる看護婦は松嶋菜々子、若手イケメン医師の山P、このお方は大門未知子、、と要らぬ妄想を膨らませながらひとり人間観察を楽しんでおりました。そう、先週までは。
明けて翌日の朝8時過ぎ、看護婦さんと一緒に6階の手術室入り口まで行き、ママを見送ってから待機部屋に戻りました。もうその頃には、妄想どころでは無くなっていました。可愛らしい絵が貼られた自動ドアが一瞬開いた時、そこは真逆の「戦場」のように見えました。帰って来いよ~!
って言ったものの、自分が帰れなくなりました(恥)。エレベーター横にある本館の建物案内。 やっぱ大病院だ、何度来ても迷ってしまいます。
なんとか別館の待機部屋に戻り、横浜駅で買った本を読んで時間を潰そう、いや気を紛らわそう。持ってきたのは「約束の力」 by 山崎康晃 まだ全然読んでいませんでした。
結局、4時間以上かけて完読。既に、お昼時を過ぎていました。正直、本の内容はあんまり覚えていません。お腹も空かないし、何も頭に入ってなかったんでしょうね。
いつの間にか長男が、仕事を休んで病院に来てるし。来なくていいって言ったじゃん。
しばらくして、部屋に「終わったので、ICUまでお越しください」という案内があり、
本館5階のICU入り口前で待つこと数分。ところで、ICUって何の略だかご存知ですか?
International Christian University 、そう国際基督教大学のこと、って、ちゃうわ!
Intensive Care Unit 集中治療室のことです。(ここでボケてどうすんねん!)
手術に立ち会った担当の医師が、手術着&手袋のままドアから出てきて、立ち話で手術の結果を聞くことに。ここでやっと一安心、体の力が抜けました。振り返ると奴が、、じゃない、長男が泣いてるし。えっ、何でお前が泣くねん?ちゃんと話を聞けっつーの。はよ来いや!
でも、この緊張感は長男が産まれた20数年前、大森日赤の待合室での感覚に似ていました。その時は、自分が泣いていたっけ(汗)。
先生に深々と頭を下げて、ママがいるICUに入れてもらうことに。ここから先は、荷物をロッカーに置いて当然撮影は不可。手を消毒し、マスクをして、いよいよ、、
人生で初めてのICUへ足を踏み入れました。
足の震えが止まりません。
目に映ったのは、まさに医療ドラマで見たセットそのものでした。
ママはまだ麻酔が効いていて、目はうつろ。口にマスク、鼻には酸素の管、枕元のモニターには心拍数、血圧がピコピコと点滅。この状況では「お疲れさん」以外に掛ける言葉が見つかりませんでした。
ふと隣のベッドを見ると、1歳くらいの男の子が同じように口のマスクと鼻の管でぐったりとしているのが見えました。一刻を争うようには見えなかったものの、「ああ、ここは命を繋ぐ神聖な場所なんだな」と。看護師さんの多さと慌ただしさ、医療機器の多さに圧倒されていました。
そして長居することなく、無言で長男とICUを後にして家に帰りました。
「病院シリーズその1」は、ここでおしまい。
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