昨日のブログ(ついつい長くなってしまいました)に書いた元世界王者、ロイヤル小林さんとの勝手な「因縁」の話の続きです。興味ない方は以下スルーで。
それは今から40年以上前、中学2年から通い出した下北沢の金子ボクシングジムから始まります。
ある日の夕方、ジムで練習していた自分を含むアマチュア練習生7-8人がトレーナーに呼ばれ、リング横に整列すると「いいかお前ら、今からプロの選手と1ラウンドずつスパーリングな!おーい、佐々木ぃ!」
は?誰?
「ういーっす」
奥から出て来たのが、金子ジム所属のプロボクサー、当時日本フェザー級ランカーの佐々木滋選手。
マジか?
でも、こっちもジムに通い始めて1年以上、大学生とのスパーリングで鼻血を出させたことも。これは実力を試す絶好のチャンスだぜ、やってやろうじゃないの!若いね~!
佐々木選手はヘッドギアもつけず、リング上でウォーミングアップ中。自分は5番目か6番目だったかな。佐々木さんが疲れたところを、ひと泡吹かせてやるぜ。
そしてスパーリングが始まった。
カーン!
トップバッターは、アマチュアで試合経験のある大学生。積極果敢に打って出るも、すぐに逆襲にあい、大量の鼻血でストップ。その後も続々とボコられては、ボロ雑巾のようにリング脇に寝転がっているという惨状が。誰ひとり1ラウンド3分持たねえじゃん。
つ、強え!強すぎる!
これがプロか、格が違うぜ。って感動してる場合じゃないだろっての。
足震えてきた。帰ろかな。そうこうしてるうちに自分の番が。
グローブとヘッドギアを付け、マウスピースをくわえると、足の震えが止った。よーし、なんとか3分耐えて、1発当ててやるぞ!と腹を括ったのでありました。
カーン!
がむしゃらに手を出すも、全く当たらないんだな、これが(泣)。既に何人もの練習生を相手にしているのに、佐々木選手は息も乱れず、ニヤニヤと余裕の笑みなんか浮かべてんの。チックショー!空振りの連続で、こっちの息が上がってきた次の瞬間、今度は佐々木選手がグっと近寄って来たと思ったら、目の前でフッと消えた。そして次の瞬間、、
ボフッ!
横っ腹に鈍い音。そして瞬時に息が出来なくなったDogwood少年、佐々木選手の放ったボディブロー1発でマットに沈み、リング上でのたうち回ったのでありました。(それでもたぶん手加減していたかと)
いや~、あれは苦しかったなぁ(汗)、プロのパンチの強さを身をもって体験した日でありました。
あれっ?そういえば、Dogwoodとロイヤル小林との「因縁」って何だよ?
ああ、それはですね、先のスパーリングで誰一人全く歯が立たなかった、日本ランカーの佐々木選手。あれから数か月後に、2度目の世界タイトル奪取を目指していたロイヤル小林さんと対戦したのでありました。ジムでは、あれだけ強かった佐々木さん、勝てば世界も見えてくるはず、、はずなんだけどさ、、なんと、、
1ラウンド開始早々1分、ボディブロー1発で悶絶KO負け、、
もうね、衝撃どころじゃなかったね。矢吹丈を苦しめたカーロスリベラが、ホセメンドーサに挑戦して1RKO負けしたのを知ったジョーの気分(第16巻あたり)でしたわ(全然違うだろ!しかも古すぎ)
試合翌月のボクシングマガジンには、まるであの日のDogwood少年のように、悶絶しながらリングに転がる佐々木滋選手。そして、冷めた目で見下すロイヤル小林の写真も。
それを見て愕然としたのを覚えています。それから間もなくDogwood少年は、アマチュアで2戦2敗のまま金子ジムを退会したのでありました。
つまりロイヤル小林さんは、Dogwood が「ボクシングを辞めるキッカケを作った」ボクサー、というのが「勝手な因縁」でありまして。なんだ、それ?
いやいや、上には上がいるもんだと。小林さんでさえ、アルゲリョにボディ2発でKO負けですからね。つまりこんな感じ。
アルゲリョ>>略>>ロイヤル小林>>>>佐々木滋 >>大略>>>>>Dogwood
でもね、あの頃少年時代にボクシングをやっていたせいか、大人になってから打たれ強くなった気が(今頃かよ?)。つまり、リストラに出向転籍、吸収合併に2度の早期退職、おまけに1年の職安通いにも凹む事なく、むしろ楽しんだという「精神的な打たれ強さ」だけはムダについたような。最後は自慢?いえいえ、自虐です。
以上、ロイヤル小林さんにまつわる「勝手な因縁」の話でした。
最後にもう1度、ロイヤルさんの雄姿を。佐々木さん、今も元気かな。
昨年、数十年ぶりに訪れた金子ボクシングジム。会長が代替わりした今も、下北沢の同じ場所にありました。懐かしい!
この夏読んだ本「一瞬の夏(上巻)」 - Dogwoodの池上日記
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