勝手に「お山周辺の困った話」を連発したからか、日ごろの行いが悪いのか、はたまた日蓮聖人のお叱り?なのか、良くわかりませんが、数年前のトラウマが蘇りかけた出来事があったので、真面目に(?)書き留めることにしました。これ、思い出すたびに心が痛むので、勝手に「やや閲覧注意」とさせて頂きます。
6月22日(木)曇り 朝6時過ぎ、プー丸と散歩に出る。前日の暴風雨も上がり、普段とは逆のコースで、呑川沿いを上流に向かって歩き、池上小学校近くの橋を渡る。その先にある、妙見坂の紫陽花を、階段の下から見上げて紫陽花の写真を撮る。
前方に、散歩中の老人が階段をゆっくりと登っているのが見えたので、妙見坂を登るのをやめ、先日バイクでたむろしていたおニイちゃんと、ひと悶着起こした場所を通る。
お山周辺の困った人たち その2 - Dogwoodの池上日記
ここでは、毎朝6時半からラジオ体操をする中高年の人たちが、大勢集まって準備体操を始めていた。総門の前を横切って、梅園方面へ向かい、駄菓子屋の前を過ぎて車坂(くるまざか)を上ることにした。
車坂を少し歩いたその時だった、坂の上の方から、「キュー!キュー!キュー!キュー!」と、鳥にしてはずいぶん太くて聞き慣れない鳴き声が聴こえてきた。猿か?まさかね、一応ここ都内だし。
仮に鳥だとしても、南米に生息するようなヤツだろうとか思いながら、生い茂る木々を見上げながら歩く。しかし音のする方に、鳥は見えない。その切羽詰まったようなキューキュー音に混じって、ここでは聞き慣れたカラスの鳴き声も聞こえてくるようになった。坂を上るに従って、その音が段々大きくなってきた。この尋常ではない響きは、どうやら坂の途中にある、星亨(明治の政治家)のお墓の方からだ。意を決して、お墓へ続く短い階段を上ってみた。
すると、階段の先の石歩道の上で、大きなカラスが2羽、激しく何かを突っついているのが見えた。
その間に何か動くものがいる。どうも、そいつが鳴いているようで、カラスは鳴きながら羽根をバタつかせて両脇から突っついていた。Dogwoodとプー丸に気が付くと、
カラスは、すぐそばの石段の上に飛んで移動し、大きな声で鳴きながらこちらの様子を伺っている。石歩道の上に、ポツンと取り残された黒い塊は、プー丸の半分以下の小さな動物だった。一瞬、モグラかネズミかと思った。それがこれ。
もう少し近寄って見ると、その真っ黒い動物は、力なくヨロヨロと自分から立ち上がったが、全く歩く気配がない。足元にコバエが数匹飛んでいるのが見えた。
細い足の先には、意外と大きな爪も見えた。頭の方へ回る。光の無い丸い小さな目で一瞬こちらを見たように思えた。鼻の両側に短いヒゲ、そして頭に小さな三角の耳が見えた。
ええーっ!?と思わず声が出た。
ネコの赤ちゃん?いや、犬か?一瞬「ポメラニアン?」という犬種が浮かんだが、ちょっと違う。ケガをしてるのか、すぐにへたり込んでしまった。
「誰かが捨てやがったな!」と声が出た。本門寺周辺の「猫、犬を捨てるのは犯罪です」の看板と、カラスに餌付けしているおっさんが頭に浮かんで、悲しいというか腹が立ってきた。車坂を散歩する人が、こちらをチラ見して通り過ぎるのが見えた。
連れて帰ろうにも、プー丸用のビニール袋位しか持ってないし、保健所もこの時間はまだやってないだろう。仕事もあるし、取り敢えず持っていたスマホで写真を撮りつつ、カラスを追い払うと、急いで家に帰った(安全な場所を確保してあげれば良かったけど、パニくっていて、その時は何も考えられなかった)。家に着いて、すぐ妻に話して写真を見せたら、「犬かもしれないよ!今から自転車で見に行ってくる!」という。朝食中だった高校生の三男も行くというので、プー丸用のキャリーバッグとタオルを持って、急いで車で現場に行った。その間約10分くらいだったろうか。車坂に車を止めて、「生きていてくれ!」と思いながらさっきの階段を上ると、もうそこには、さっきの黒い動物もカラスもいなかった。カラスが連れ去ったのだろう。
朝の静寂のなか、救えなかった虚しさと、断末魔の鳴き声が心に重く残った。
というある日の出来事でした。
追記:あのキューキュー鳴く声、やっぱりネコでも犬とも違う。ネットで調べると、どうもこれは「タヌキ」ではないかと思うのですが。大田区のホームページには、「ハクビシンやアライグマに注意」と書かれているくらいなので、やっぱりお山に生息していた野生動物だったのでしょう。
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