毎度地元のピンポイントネタでスミマセン。池上本門寺の五重塔の周辺には、お墓参りに来る方が使う水道の蛇口がいくつか設置されているのですが、五重塔の向かって左側にある水場には、「川本式」と書かれた、かなり年季の入った鉄製の手押しポンプがあります。
これがそのポンプ。
いい色に褪せてます。
ここを通った時に、人目を気にしながら、何度か手で押してみましたが、ポンプから水が出たことは一度も無く、プー丸(犬)用の水は、横にある水道の蛇口から拝借していました。昔は井戸があったのかもしれませんが、Dogwoodは、この手押しポンプをずっと「飾り物」だと思っていました。
それでも、五重塔の隣にある錆びた手押しポンプは、見た目だけでも中々レトロで、インパクトのある組み合わせかな、位に思っておりました。
ところが先週、五重塔背面に広がるお墓の中を通った時に、ひっそりと佇む、もう一つの古びた手押しポンプがあるのに気が付きました。このポンプにも川本式と書かれていて、五重塔隣のポンプと同型かと思われます。ただ、ここは、外を歩く人からは全く見えないところにあるので、飾り物という訳でも無さそうだ。
という訳で、周りに人もいなかったので、ゆっくりとポンプの取っ手を押してみました。
おっ、この感触!この前と違って、なんだか懐かしい抵抗感がある。キーコ、カポッ、キーコ、カポッと2回、3回押してみました。すると、勢いは弱いものの暫くすると、
じょろじょろじょろ~ と、、水が出たではないですか! ポンプの中を覗くと、水が溜まってるのが見えました。
いや~、コレちょっとした感動モンでした。お墓の中で、手押しポンプを押しながら一人ニヤつく中年男。これ、お墓参りの人に見られたら絶対「お墓にヤバい奴がいる」って通報されていたかも。危ない危ない。
家に帰ってから「川本式 手押しポンプ」でググってみると、さすがにもうこんな手押しポンプの会社は存在し無いだろう、、と思ったら大間違い。
愛知県に本社のある、「株式会社 川本製作所」は、現在も家庭用、空調、衛生設備用の汎用ポンプを製造している大手のメーカさんでありました。
資本金3億円、従業員数700名を超えるというから、かなりの大企業。ホームページの沿革を見ると、大正9年に創業者の川本さんが名古屋市で手動ポンプの製造・販売で創業した会社。Dogwoodが見つけたポンプが、その頃のものかどうかわかりませんが、そもそも五重塔自体が、慶長13年(1608年)に建立されたことを考えると、これらの手動ポンプも大正、昭和初期に作られた物かもしれません。
長い年月とともに良い色に錆びた「川本式」の手動ポンプ、歴史とノスタルジックを感じたDogwoodでありました。
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