3連休は全く予定の無いDogwoodです。池上に雪は積もらなかったけれど、寒~い1日でした。でも、軽井沢は絶対もっと寒いはず。ということで、日本初の本格的カラー映画(総天然色映画)「カルメン故郷に帰る」の話。
今から68年前の1951年(昭和26年)に公開された、木下恵介による脚本監督、高峰秀子主演の松竹映画30周年記念作品。終戦から僅か6年、Dogwoodが生まれる10年以上も前に、浅間山麓の北軽井沢を舞台にオールロケで撮られた貴重な日本映画。
昭和37年に廃線となった草軽鉄道の走る姿をカラーで見られるというのも、鉄道マニアのみならず、自分のような軽井沢好きのハートをも鷲掴みにしてくれる映画なのです。
草軽電鉄のDVDを観て、乗った気分になりました! - Dogwoodの池上日記
何年も前にVHSで購入していたのですが、 目的だった草軽鉄道のシーン以外は、恥ずかしながら殆ど見ていませんでした。
最近ビデオテープをデジタル化してパソコンで見ることが出来るようになりまして。さっそくマルスウイスキー「信州」の水割りを片手に、86分の映画を鑑賞することに。
初めに断っておきます。映画の紹介ではありませんので、悪しからず。
タイトルバックからインパクトありすぎ。
高峰秀子さんは当時27歳。東京でストリッパーをしているリリィ・カルメンこと、おきんの役。友人のストリッパー、マヤ朱美(小林トシ子)を連れて故郷の北軽井沢駅を降りたところから始まります。
草軽鉄道の地味な茶色い車両と、真っ赤な衣装とのコントラストが対照的。ちなみに衣装提供は高島屋。さすが戦後の大女優、派手な衣装もお似合いです。
映っている駅舎の支柱が、まるで少し前の池上駅のよう。池上駅も90年以上もの間、木造駅舎だったのです。
この2人が浅間高原で裸踊り(笑)の練習をするシーンは、中々シュールな絵。
村で行われるストリップショーを止めさせようと、おきんの両親と校長先生役の笠智衆が、1本の木に向かって歩くシーンがあります。その木の下で、おきんの父親が校長に語りかける場面が、この映画のハイライトのひとつになっていまして。
そこでこんなやりとりが。
「おきんは小さい時に、この木の下で牛に頭を蹴られてその後オツムがおかしくなった。18になるまで鼻水垂らしていた頭の足りん子が、東京へ出ていったって、まともに食っていけるわけない。(ストリップが)芸術だ、文化だ、と言っても、わしがうれしいはずがない。でもわしはおきん(カルメン)が一番可愛い。踊りたいというのなら、笑いものになったってかまわない、東京という日本のど真ん中で踊っていいものなら、こんなど田舎で踊ったってかまわないはずだ!」と。
そう泣きながら訴えるおきんの父親に、校長先生は「今回はわしの負けじゃ、踊りたいというのを躍らせないのは人権蹂躙だ」と父親に同情する場面。この映画のテーマでもある差別や、親子の絆を表す印象的なシーン。そこに映っている大きな木。
これが映画のロケ地、北軽井沢の浅間牧場に「カルメンの木」という名前で今も残っているのだそう。左の大きな木が「カルメンの木」。
昨年旅行で行かれた方の写真を借用しました。
「主人公カルメンが馬に蹴られるシーンがある」と書いてあるけど、そんなシーンは無かったよなぁ(笑)でも、こんな看板も木の名前も知らなかった~。
そこで思い出したのが、今から22年前の1997年8月に家族で軽井沢旅行した時に撮った8mmビデオ。Dogwoodが初めて浅間牧場へ行った時の映像が残っていました。もしやと思い見返してみると、そこにはなんと、、、
「カルメンの木」が映ってた!
Dogwoodが撮影した、妻と当時3歳の長男がハイキングコースを歩く数秒の動画に。
当然、上の看板も無いし、映画の存在すらまだ知らなかった頃。
でも、カルメンの木はこれに間違いない。偶然とはいえ、ちょっと感動。
この年以降、浅間牧場へは行ってません。今年軽井沢へ行ったら、北軽井沢まで足を伸ばして「カルメンの木」の下で写真を撮ろうと決めたDogwoodでありました。
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