Dogwoodの池上日記

地元大田区池上・蒲田と軽井沢・信濃追分を愛するDogwoodの日々徒然日記。

8年後の3月11日に思い出したこと

 雨で始まった月曜日。近くの中学校の校門には、休日でもないのに日本国旗が掲げられていました。

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近くで見ると、黒い喪章が付けられているのに気が付きました。

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この学校と同じように、8年前の今日を忘れないように命の重さを感じて過ごそうと思ったDogwood です。

 

仕事中に地震に合い、津波で亡くなった岩手県大槌町役場職員の話をテレビで見ていて、ふと思い出したことが。ブログには書いていなかった、東日本大震災の恐ろしさを実感した出来事でした。

当時は、仕事内容と関係していたので書けなかったけど、昨年末にその会社を辞めたいま、忘れないうちに書いておこうと思います。

あの震災から数ヶ月たったある日、本部長から呼び出されて「今から部下を集めて、役場のパソコンのデータを修復してほしい」と。なぜか口外するなとも。

当時、震災ゴミの中から写真を修復したり、データを復旧するサービスやボランティアの話が放送されていたので、すぐにピンときました。そう、そのパソコンは大槌町役場で使われていたものだったのです。

渡されたのは、2台のハードディスク(以下HDD)。160GBの民生向け(一般ユーザー向け)グレードのやつ。HDD(磁気記憶装置)というものは、秋葉原などで売っているリテール品から、耐久性の高いサーバー用途など、いわゆる「松竹梅」にランク分けされているのが普通。なので、最初に見た時は「えっ、役場でこんな製品を?」と驚きました。でも、パソコン内部に装着されていたこともあって、外見はキズひとつなし。これなら楽に修復できるかなと思い基板を外すと、そこには海藻のような黒いゴミや、海水が乾いて塩状になったものがびっしり。ひと目で津波で水没したものとわかりました。

HDDに防水仕様はなく、内部にも海水が溜まっている状態でした。ここからは、丁寧に分解して、純水で内部のディスクや磁気ヘッドを洗い、乾燥後にクリーンルームに持ち込んで慎重に組み立て。作業は1週間近くかかったと思います。

他の仕事をストップしてまで、皆ベストを尽くして復旧作業を続けたものの、修復できたのは2台のうち1台分だけでした。その報告を受けて、なんとも言えない空気が漂ったのを今でも良く覚えています。

 

で、放送していた大槌町の旧役場庁舎の話。あのHDDも、8年前はここで使ってもらってたんだな。

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3月2日に解体作業が終了。その様子を、ここで亡くなった女性職員の父親が寂しげに見つめていました。

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遺体の近くで見つかったカバンにあった娘のノートを、最近やっと見ることができたという父親。そこに書かれていた言葉に「はじめて娘から教わった」と父親。

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人生を楽しむコツは

好きなことをやるじゃなく

やることを好きになること

 

HDDのデータは消えても、手書きのノートが今も残っていることに、少し救いを感じたDogwoodでした。改めて合掌。

 

以下は2016年の3月11日に書いた記事です。

5年前の今日(昨日)のこと 後編 - Dogwoodの池上日記

5年前の今日のこと 前編 - Dogwoodの池上日記

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